中海の水質浄化に取り組むNPO法人「未来守(さきも)りネットワーク」(事務局・鳥取県境港市元町、奥森隆夫理事長)が、中海沿岸に打ち寄せられる海藻を稲作の肥料に活用する事業を始めた。海藻のリサイクル促進と地域の農業振興が狙いで、二日には倉吉市内の農家で「海藻米」の稲刈りがあった。
護岸にたまった海藻は時間が経過すると悪臭を発し、害虫の産卵場にもなる。このため、同ネットワークは採取した海藻のオゴノリ、ウミトラノ、ホソジュズモを乾燥させ、有機肥料として農家に提供、収穫された海藻米は企業を通してインターネット販売することを思いついた。
現在は倉吉市内の農家二軒が参画し、このうち同市下米積の農業、谷本岩壽さん(64)は田植え前の今年四月、九十アールの水田に海藻を十五トン(肥料換算は四トン)をまき、現在は稲刈りの最中。「海藻を使うことで米に甘味が出るのでは」と谷本さんは話し、「海藻をまくのに人手がいるが、米の販売価格にメリットが生じれば」とブランド化に期待を寄せている。
同ネットワークによると、海藻は窒素、リン、ミネラルが豊富で、昭和三十年ごろまでは中海沿岸や鳥取県中部で肥料として活用していた。その後は水質悪化による海藻の減少や農家の人手不足、化学肥料の普及を背景に使われなくなったが、近年、海藻肥料は一部農家で見直されている。 (10/4記事)
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