鳥取県西部の弓浜部に伝わる国の伝統的工芸品「弓浜絣(ゆみはまかすり)」の担い手を育成する後継者養成研修の開講式が一日、境港市麦垣町の弓浜がすり伝承館であった。弓浜絣の維持・復興に向けた緊急対策の一環。公募で選ばれた二十代の男女三人が意気込みを語り、産地の期待を背に三年間の研修のスタートを切った。
研修事業は、生産業者の減少と従事者の高齢化が進む中、鳥取県弓浜絣協同組合(村上勝芳組合長、四社)が県、米子市、境港市の支援を受けて実施する。研修生には研修費の支給や家賃助成があるが、研修後には地元で弓浜絣の製造に職業として取り組むことが課される。
七月に研修生を公募したところ、地元を中心に四十八人(うち県外六人)が応募。選考の結果▽中村武志さん(28)=米子市永江▽稲賀さゆりさん(24)=境港市上道町▽佛坂香奈子さん(23)=同市中野町−の三人が選ばれた。
この日、改修されたばかりの伝承館で行われた開講式には関係者約二十五人が出席した。村上理事長(76)が「予想を上回る応募があり、弓浜絣への期待の大きさを感じた。有望な研修生三人を迎えることができ、大変喜んでいる」とあいさつ。主任講師を務める嶋田悦子さん(77)が「技術は習うより慣れろというように、厳しいことも待ち受けていると思うが、一つ一つ乗り越えてほしい」と励ました。
これに対し、研修生は「わくわくしている。三年後の不安はあるが、弓浜絣をやることに迷いはない」(中村さん)、「素朴で力強く、愛情あふれる弓浜絣の原点を忘れずにがんばりたい」(稲賀さん)、「一からのスタートだが、やる気はある。伝統に新しいデザインを取り入れたい」(佛坂さん)−とそれぞれに意欲を語っていた。
研修生はこれから三年間かけ、手紡ぎから機織りまで手仕事による基本的な製造工程から機械化工程、マーケティングなど就業に必要な技術、知識を身に付ける。 (9/2記事)
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