北朝鮮籍船舶の入港全面禁止を盛り込んだ北朝鮮への追加制裁措置が十三日に閣議決定されることになり、境港の対北朝鮮貿易は大きな区切りを迎えた。境港に入港する北朝鮮の貨物船はベニズワイガニなどの水産物を輸入し、中古の自動車や自転車などを輸出していたが、こうした物流は止まることになる。その影響はいかほどか。
神戸税関境税関支署が八月に発表した、境港における上半期(一−六月)ごとの比較統計によると今年上半期の貿易額は輸出が前年同期比26・1%増の二億円、輸入が同6・1%増の三億七千八百万円だった=表参照。
貿易額が前年同期の実績を上回った背景には昨年三月の船主責任保険の加入義務化に伴って激減した北朝鮮船の入港数の回復がある。また最新データによれば、今年一−八月の貿易額は輸出が三億二千八百万円、輸入が五億一千百万円。七月以降の輸入の伸びについてはシーズンを迎えたマツタケの入荷が一因としてあるという。
ただ、輸入の主要品目となるベニガニをめぐっては加工原料にしていた地元水産業界の間に「脱北朝鮮」のムードが広がり、境港水産振興協会の米村健治副会長は「『(制裁措置の)影響はない』が皆の一致した言葉」と説明。業界では北海道産のカニを移入するなどの対応策が講じられている。
が、難題もある。政府の制裁措置決定に伴って水産庁が北朝鮮海域で操業する鳥取県籍などのベニガニ漁船に同海域への立ち入り自粛を要請しており、これがどんな影響を及ぼすか−。
経済産業省は制裁措置の輸入禁止で影響を受ける中小企業への対応を講ずる姿勢を示しているが、具体的な対応策はこれからの段階。境港の貿易専門家は「資金力の乏しい水産加工業者が業種転換を図ったり、中古自動車の輸出業者が輸出先を変える際の行政支援が課題。ただ公金を投入する場合には、その業者に意欲があることが前提になる」と話している。(10/13記事)
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