北朝鮮水域でベニズワイガニ漁を操業していた境港のカニかご漁船三隻の船主に対し、水産庁は二十四日、「操業の安全と経済制裁の実効性の確保」を理由に同水域での操業を禁止するに当たっての聴聞会を開いた。漁船側は「不本意ながら国策には従う」と操業禁止を受け入れる考えを伝えた上で、禁止措置に伴う損失補償や経済制裁解除後の原状復帰を求めたが、水産庁側は漁船側の要望を退けた。
水産庁は一両日中にも三隻に対して北朝鮮水域での無期限の操業禁止を交付する。今回の禁止措置に伴い、同水域で操業する農林水産大臣許可の漁船は無くなる。
聴聞会は境港市昭和町のみさき会館で開かれ、漁船側は二隻の各船主代理人が口頭で意見を述べ、残る一隻の船主は陳述書を提出した。漁船側が北朝鮮水域からの撤退費や日本の国内水域に漁場を移すことで減少が見込まれる漁獲金額の差額などの補償を求めたのに対し、水産庁資源管理部の川村始調査官は「経済制裁に伴う損失補償はしていない」と説明。制裁解除後の原状復帰の要望についても「将来のことは予断はできない」と答えるにとどまった。
ただ、三隻の今後の漁場となる国内水域は他の日本船が操業し、日韓暫定水域でも韓国漁船が操業、資源回復の取り組みが課題となるだけに、川村調査官は「国内の漁場や境港のベニガニ漁の在り方について特段の措置を含めて検討し、韓国漁船との操業秩序確立の交渉についても解決に向けて加速したい」と語った。(10/25記事)
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