七月の豪雨で中海の塩分が薄まり、特産のアサリ漁が窮地に陥っている。中海が真水に近い状態になったため、アサリの生息に適さず、大量死が確認された。「復活に二年はかかる」と漁業者は苦渋の表情。アサリを活用した中海の水質浄化を提唱する境港市は関連イベントを中止した。
国交省の観測によると、中海湖心(上層)の塩分濃度は七月十五日に一リットル当たり約二万ミリグラムだったが、二十五日には約一千ミリグラムと、二十分の一まで低下した。
島根県が二十七日に中海の江島大橋付近など三カ所を調査した結果、アサリの大量死を確認した。同水産課は「汽水域に生息するアサリは真水に近い状態が十日間続くと死滅する」と推測。一九九七年にも大雨によってアサリが相当数死滅したという。
中海でアサリ漁を営む中海漁協の石倉正夫さん(58)は「アサリは雨で全滅。(商品になる)大きいアサリを採るには二年はかかる」と困惑気味。一方、境港市は本年度新規事業として環境啓発イベントでの「アサリ汁」提供を予算化したが、提供は困難だという。
赤潮発生源の窒素、リンを栄養分とするアサリを定期的に漁獲しなければ湖沼を汚す原因にもなるため、同市はアサリの地産地消運動を通して水質浄化を進める計画だっただけに、「アサリの死滅による水質悪化が心配」(環境防災課)としている。(8/8記事)
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