米子市の皆生温泉旅館組合(柴野憲史組合長、二十一軒)は二日、ベニズワイガニを食材にした商品開発に乗り出した。旅館のカニ料理はズワイガニの松葉ガニが主流だが、温泉地間競争の区別化策として身近な境港市の境漁港で水揚げされるベニガニに着目。水揚げ現場の視察や漁師料理の試食を通して商品化の糸口を探った。ただベニガニの用途は大半が業務用加工のため、今後は旅館料理としてのイメージ確立が課題になりそうだ。
境港市を訪れたのは各旅館の経営者や調理担当者ら計三十人。岸壁で漁業者や市場関係者からベニガニの特性、生息域などの説明を受けた後、地元漁師が営むカニ直売店へ。オーナーの長崎俊行さんらが用意したベニガニのキムチあえ、鶏卵を混ぜて加熱したカニみそ、塩とコショウを使った揚げ物など九種類の料理を試食した。
「松葉ガニに比べ、調理法はバラエティーに富み、面白みがある」と参加者に好評だったが、中には「『ベニガニはカスカスで身が入っていない』との認識が強く、高級旅館で提供する際のイメージ打破が課題」との意見も。今後について、柴野組合長は「境港のベニガニを生かし、皆生温泉の商品として研究したい」と語った。
境港では年間約八千トンのベニガニが水揚げされ、全国シェアは約八割を占める。現在、カニかご漁船十五隻が隠岐諸島周辺などで操業中だが、資源の減少が危惧(きぐ)され、今年は休漁期を一カ月間延長するなど苦労が続く。このため、地元関係者の間には「ベニガニのおいしさを広く知ってほしい」との思いがあり、旅館経営者ら一行を受け入れた境港市観光協会の黒田正己事務局長は「漁師料理をヒントに商品開発を考えてもらえれば」と今後の取り組みに期待を寄せた。(6/3記事)
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