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 2006年05月10日
 
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2006年05月10日
「弓浜絣」産地維持へ背水 県が人材育成本腰
鳥取県は本年度、境港市麦垣町の県産業技術センター「弓浜がすり伝承館」の改修整備に乗り出す。事業者の減少で存続が危ぶまれている国の伝統工芸品「弓浜絣(ゆみはまがすり)」の産地維持へ向けた緊急対策事業。人材育成施設としての機能を強化し、展示など情報発信機能も兼ね備える。(日本海新聞提供)

 鳥取県は本年度、境港市麦垣町の県産業技術センター「弓浜がすり伝承館」の改修整備に乗り出す。事業者の減少で存続が危ぶまれている国の伝統工芸品「弓浜絣(ゆみはまがすり)」の産地維持へ向けた緊急対策事業。人材育成施設としての機能を強化し、展示など情報発信機能も兼ね備える。

 伝承館は、県工業試験場境港分場繊維部門が前身。一九八八年に「弓浜がすり現地指導所」、九八年に「同伝承館」に名称変更され、今日に至る。

 現在の建物(管理棟と作業棟、計四百七十平方メートル)は六九年に建築。作業棟には、染色や糸づくりの設備や織り機があり、週二回開館し、主に製造業者の準備作業や、弓浜絣教室修了者の活動の場として利用されている。

 県市場開拓課によると、弓浜絣の生産業者は、七〇年代前半の記録では、米子、境港両市に十六社あったが、国の伝統工芸品に指定された七五年には十社になり、現在生産しているのはさらに半減。従事者の高齢化も進んでいる。

 このため、県は本年度当初予算に弓浜絣産地維持緊急対策事業として三千三十六万円を予算化。計画では、伝承館を人材育成施設として利用するため、老朽化した施設の改修や備品整備を行い、専任講師と事務職員を配置して、研修生(定員三−五人)を全国から募集し、後継者育成に本腰を入れる。

 また、生産拠点としての施設修繕や、弓浜絣をPRする展示場設置のための改修も行い、体験など観光対応も視野に入れる。県市場開拓課は「産業としての生産者がいなくなれば、文化としても廃れる。事業者や地元自治体などと相談して、改修内容を煮詰めたい」と話す。

 同施設を利用している国の伝統工芸士で県弓浜絣協同組合の村上勝芳さん(75)=米子市和田町=は「早く手を打たないと、手遅れになる。今回の県の事業は、生産者としてはプレッシャーも感じるが、期待をしている。地元から後継者が育ってほしい」と期待を寄せている。

 弓浜絣は、境港市から米子市にかけての弓浜半島での綿花栽培に伴い、十八世紀の江戸時代中期、農家の副業として織られたのが始まり。藍染めの平織りで、地が厚く、めでたい絵柄が特徴。幕末から明治中期に最盛期を迎えるが、洋式紡績業の発達で衰退。一九七五年に国の伝統工芸品に指定された。(5/9記事)


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