「市制施行五十周年記念」をイベントの冠にしませんか−。四月一日で「満五十歳」になった境港市は十三日までに、イベントを開く企業や団体に対して冠使用の呼び掛けを始めた。各種イベントの宣伝力に乗じ、市制の節目を周知する考え。背景には市の厳しい台所事情があり、五十周年のムード盛り上げに苦労がにじむ。
境港市は市制十周年以降、五年ごとに記念事業を実施しているが、冠使用の募集は初めて。市制振興に貢献するイベントを対象に無料で使用を許可するもので、市報四月号に案内を掲載した。
この狙いについて、市地域振興課は「いろいろなイベントを通して節目を意識してもらうため」と説明し、「…五十周年記念」の冠をイベントのポスターやパンフレットに載せてもらう考え。使用者にとっては市の名義後援と同じように、ある意味、お墨付きを得る効果が想定される。
一方、市の周年事業費はわかとり国体翌年の三十周年をピークに減額傾向にあり、市史発刊や広告費を除く五十周年行事の費用は百八十三万円。
その内容は自治総合センターの助成金を活用した「宝くじスポーツフェア・はつらつママさんバレーボール」、NHKののど自慢や子ども向けキャラクターショー、恒例の市表彰式に併せた記念アトラクション(九−十二月開催予定)。片や、三十周年は大型帆船「海王丸」の誘致、公開や松竹歌劇団の公演などを繰り広げ、四十周年は境港開港百周年と連動して復元帆船「咸臨丸」を迎えるなどした。
市誕生から半世紀の大きな節目を迎え、市は「本来ならば予算を投入して五十周年を盛り上げるべきだが、そんな時代ではない。緊縮財政の中では難しい」(同課)とする。
周年式典で出席者全員に記念品を贈った派手な時代は、今は昔。市の周年行事は簡素化しつつあるが、地域の歩みを振り返り、まちづくりへ新たな一歩を踏み出す節目なだけに、市民を巻き込む工夫が求められそうだ。(4/14記事)
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