少子化を背景に乳幼児の教育、保育サービスの見直しを打ち出した境港市は、見直し案に対する市民意見をパブリックコメント方式で求めているが、募集期間折り返しの十六日を過ぎても応募が一件しかない。子育て環境に直結する見直し案は関心事だが、市民の間には記名による募集に二の足を踏む声もある。過去の同方式による意見募集の中には応募ゼロの例もあるだけに、制度の浸透が課題になっている。
市によると、市立幼稚園の全廃や保育所の民間移譲を視野に入れた見直し案は、市ホームページや市報二月号に掲載し、二月一日から二十八日まで持参や郵送、ファクス、電話、メールで意見を受け付けている。寄せられた一件は十六日に届いたもので、家庭教育への行政支援などを求める内容だった。
一方、見直し案に関心を寄せる市民の間には、住所と氏名の明記を求めるパブリックコメントの手法に抵抗感を抱く声も生じている。
無認可の夕日ケ丘保育園で主任保育士を務める坪栄暁子さん(41)は「記名だと、市立の施設に子どもを預けている保護者は、思い切った意見を述べるのに勇気がいる」と指摘。見直し案については「子育てをしようとする若い世代にも大きな影響を与える。一人一人が考え、声を出していくことが大切」と話し、同園の保護者らから「無記名」で意見を募って市に提言するという。
記名方式について、市総務部の宮辺博次長は「自分の主張として名前を書いて提出すべきと考えている。名前を外部に提出することはない」と説明。ただ、地域福祉や次世代育成支援の計画策定などをテーマにした過去のパブリックコメントの意見提出は皆無か、数件にとどまっただけに、「どうすれば意見を寄せてもらえるか考える必要がある」と話している。(2/17記事)
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