経営が悪化していた水産業の山陰地方最大手「共和水産」と関係会社「東海漁業」(いずれも境港市栄町、和田耕治社長)は九日、主力銀行の山陰合同銀行(若佐博之頭取)の債権放棄を軸とする経営再建策を発表した。同行も全面支援する方針。債権放棄額は約百三十三億六千万円に上る。両社とも営業は続行し、従業員約二百六十人の雇用は維持される。
共和水産によると、主力のイワシ漁が資源の極端な枯渇で不振を極めたほか、イワシのミール工場建設への大規模な投資が業績悪化を招いたという。大幅なリストラを断行したが、借入金の返済には至らず、「私的整理に関するガイドライン」に基づく再建支援を仰ぐことにした。
両社の借入金は今年三月末現在で百八十八億五千万円。再建計画によると、両社は山陰合銀の百三十三億六千万円のほか、二金融機関にも支援を依頼しており、計百五十四億円の債務解消を図る。並行して国内巻き網漁の強化など収入増、経費節減、遊休不動産の処理を進め、二〇〇九年三月期決算での累積赤字解消を目指す。借入金は一二年度までに返済する。
共和水産は「(両社の)仕入れ先など一般取引先業者への影響はない」としている。
和田社長は両社の社長を退任するほか、両社の和田卓一郎会長(前境港商工会議所会頭)はグループ会社すべての役職から退く。新社長は山陰合銀から派遣を依頼した。
金融支援について、同行の中谷喜久雄審査部長は「両社は地元水産業の中核企業で、破たんによる地域経済への影響を回避する必要がある。ガイドラインに基づく手続きで公平、透明性が確保でき、再建の可能性がある」と話している。
共和水産は一九四七年、東海漁業は六七年設立。今年三月期で両社の漁獲金額は五十六億五千万円。漁獲量で見たシェアは境港で6・5%、浜田港で28・3%。(12/10記事)
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