農作業の合間に声援を送る市民、水産物の買い物帰りに観戦する県外客、公民館祭りの会場からも小旗が揺れる。境港市で三十日に開かれた「第五回きたろうカップ境港駅伝競走大会」は畑、漁港、住宅街を縫ってレースを展開。収穫、行楽、文化の秋に満ちあふれる港町で、熱走譜を繰り広げた。
秋漁を迎え、買い物客でにぎわう境港水産物直売センター。「偶然、駅伝の開催を知りました」という広島市安佐北区の会社員、田本サツ子さん(57)は買い物を済ませ、家族と一緒に選手たちを応援した。「旅行の良い記念になります」と小旗を振った。
江島大橋が開通して二年目。市内は県外車両の往来が目立つ。先導する白バイ隊の井田進巡査部長(37)と千谷功巡査(28)が細心の注意を払いながら、レースは郊外へ。
「お兄さん、頑張って」。畑で作業していた市民グループ「あゆみ会・境港」のメンバーが選手に向かって声を張り上げた。荒廃農地を耕して農作物を栽培する同会にとって、この日はちょうどサツマイモ掘りの日。選手たちが通過する度に畑から飛び出して激励する。最後尾のチームが通り過ぎると「いやー、楽しませてもらった」。収穫の楽しみに加え、スポーツ観戦を満喫した。
ゴールの市営竜ケ山陸上競技場近くでは分譲団地「夕日ケ丘」の住宅フェアが開催中。接客係の女性(47)は「駅伝大会と重なり、タイミング的に良かった。スポーツ施設が充実し、ハツラツとした気持ちで暮らせる街だと感じてくれれば」と来場者に笑顔で対応した。
「昨年も公民館祭りと駅伝大会が重なったんです」。同市誠道町の誠道公民館前には焼きそば、かに汁、ポップコーンなどの出店が並び、地域の老若男女が集まった。地元の阿部信行さん(70)は「皆、小旗を振って応援してますよ。食欲、文化、スポーツの秋が一帯に満載されていますね」と活気を楽しんだ。(10/30記事)
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