境港市は二十五日までに、巨費を投じて宅地造成した新都市・夕日ケ丘団地に定期借地権の一種「事業用借地権」(賃貸借期間十−二十年)を設定する方針を決めた。進出コストの軽減を図りたい企業ニーズに適応することで商業施設などの受け入れ環境を整える。これにより商業施設などの誘致を進め、住宅団地の利便性を高め、売れ残っている宅地の分譲促進につなげたい考えだ。
昨年十二月の法改正で土地開発公社が事業用借地権を設定できるようになり、市は公社が保有する夕日ケ丘などに十月中にも同借地権を設定する。進出する事業所にとっては土地を購入するよりも借地の方が初期投資の負担が少ないことから、市は事業用借地権の設定で事業所の誘致に弾みをつけたい考え。
市の想定では夕日ケ丘の月額借地料は一坪三百円前後。小売店や飲食店、理髪店、病院などの誘致を進め、現地の用途地域に応じて施設配置を図る。
夕日ケ丘の利便施設は現在、保育園とグループホームの二施設。商業施設の出店見通しはないが、市建設部の武良幹夫部長は「事業用借地権を設定すれば利便施設が進出する可能性はある。土地を購入してまで店舗展開する時代ではなく、借地権の設定は全国のすう勢だ」と説明。
公社の委託を受けて夕日ケ丘の案内係を担当する現地居住者の主婦も「生鮮食品など日常の買い物ができる施設は必要。利便施設ができれば宅地の売れ行きはずいぶん違う」と話す。
夕日ケ丘団地は中海に面した米子空港北側に位置し、広さは五〇・七ヘクタール。全体の宅地分譲計画は四百四十四区画で、一九九九年度の分譲開始以降、これまでに二百二十九区画を発売し、百六十九区画の契約を結んだが、宅地需要が低迷する中、先行きは厳しいという(データは今年三月現在)。
一方、公社の借入金残高は五十七億円で、年間の金利は七千万円(夕日ケ丘は全体の約七割)に及ぶ状況にあり、市は分譲地購入者を紹介した人に十万円を贈る報奨金制度を設けるなど新手を次々に繰り出して宅地分譲の促進に余念がない。(9/26記事)
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