国営中海干拓事業の淡水化中止に伴って中浦水門(境港市渡町−松江市八束町)の撤去工事が本格化する中、水門管理会社の従業員が二十五日、懸案の再雇用対策を鳥取県幹部に訴えた。水門の閘門(こうもん)操作は本年度末に終了するため、失業に対する従業員の危機感は日に日に増している。訴えに対し、県はきめ細かな対策を講じる意向を示した。
再雇用対策を直訴したのは、閘門操作を農水省から受託する商船三井海事(本社・大阪市)の従業員約六十人。水門の詰め所に県商工労働部長と農林水産部長、西部総合事務所長の三人を迎え、意見を交わした。
同社労組の仁宮敬富・執行委員長は「未来永劫(えいごう)にわたって管理を、と国からお願いされて進出した」との受託経過を踏まえた上で、「(行政の再雇用対策は)労働市場の情報を連絡してもらう程度。あとは個々で対応を、というのでは捨て子の状態だ。雇用責任は企業にもあるが、(企業だけでは再雇用の対応に)難しさもある」と現状を説明した。
従業員らは「三十年作業した水門の風景が撤去工事で日々変化し、自分の身が切られる思い」「息子が進学したいと言っているが、転職先が決まらなければ返事ができない。職安に行っても、五十歳を過ぎると、なかなか…」などと口々に複雑な胸中を明かし、特別な支援を求めた。
これに対し、県商工労働部の山口祥義部長は「一人一人に対応できるよう考えたい。皆さんの心の痛みを受け止め、結果が出せるよう頑張る」と答えた。
中浦水門は一九七四年に防潮水門として完成。撤去工事は六月に始まっており、二〇〇八年度末に完了する。(8/26記事)
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