境港市の中村勝治市長が市内各地を行脚した財政状況説明会は、三日で全日程を終えた。延べ八日間の期間中に来場した市民は約六百人。財政再建プランへの質問だけでなく、市政運営の仕組みや政策に関する積極的な提言もあった。ただ、来場者は年配者が多く、年齢層に偏りが目立った。官民の協働を目指す市にとって、行政に対する関心の広がりは今後の課題と言えそうだ。
説明会は五月十九日の市文化ホールを皮切りに、七地区の公民館で開かれた。開始時間は市民が来場しやすいよう午後七時半に設定。市執行部は再建プランとして行政コストの削減や歳入の確保策を示す一方、「コスト削減だけでは将来、行政運営は行き詰まる」として住民参画、協働のまちづくりを提唱した。
これに対し、市民サイドは新たに財政負担が生じる可能性のある西部広域行政管理組合の新焼却炉建設計画の見直しや、コスト意識として市役所が各自治会長に郵送する各種案内を手渡しに切り替えるよう提案した。
市内の荒廃農地対策に取り組む男性(62)は「協働のまちづくりは、市民がそこに生きがいや新しい喜びを見いだせるようにしなければ広がらない。行政は机上で考えるだけでなく、市民の間で汗を流せばアイデアも生まれる」と助言。市民の行政に対する関心の高さをうかがわせる場面も見られた。
しかし、説明会全会場を訪れた市議の定岡敏行さんは「もっと多くの市民に出てほしいと思う。市の行く末、暮らしにかかわることであり、言うべきことは言っておかなければ」と指摘。ある自治会長(52)は「六十、七十代の年齢層が多く、若い人はほとんどいなかった。団体やNPOだけでは町づくりはできないのだが…」と吐露した。
説明会を終えた中村市長は「難しいテーマだったが、それにしては参加してもらったと思う。今後も機会をとらえて説明責任を果たしたい」と話し、情報の共有化を通して市民の行政に対する関心を高めたい考えを示した。(6/7記事)
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