米子市の皆生温泉旅館組合(柴野憲史組合長)の加盟旅館で、春の目玉食材として境港に水揚げされるモサエビ(ドロエビ)を提供している。カニシーズンの端境期の観光客を呼び込む、他所にはないご当地食材として白羽の矢を立てた。ただ「モサ」「ドロ」などの語感が悪いため、愛称として「美保えび」とネーミング。美を保つエビとして売り出す。
日本海で捕れるモサエビはエビジャコ科の深海エビで体長一〇センチ程度。境港で水揚げされるエビとしては最も多い種類で、アマエビに匹敵する甘みがある。刺し身などに料理されるが、鮮度の劣化が激しく流通には向いていない。関東では幻のエビと呼ばれる。
カニ以外の集客食材を模索していた同組合は、流通しにくいモサエビに着目。旅行会社などの助言で「美保」の愛称をつけた。近くの美保湾と美肌温泉である皆生にちなんだ名で「温泉に入って外見を美しく、美保えび食べて内面からも美しく」とアピールする。
四月から同組合に加盟する旅館のうち十一軒で美保えびのオリジナルメニューを展開。旅行会社と連携して旅行パンフレットで紹介し、ゲゲゲの鬼太郎の着ぐるみを使って県外でPRした。反応は上々だったという。
同組合の松本邦男企画委員長は「地元の新鮮な食材をどう魅力付けしていくかが課題だった。『境港で美保えびを買う』という客もおり、ネーミング一つで反応は違ってくる。美保えびは春の食材の目玉になる」と手応えを感じている。
美保えびの提供は、六月上旬まで。来年以降も継続していく予定で、今後は料理を提供する旅館を増やすとともに、皆生温泉で美保えびが楽しめる−という地元の理解も深めていく。
皆生温泉旅館組合は境港観光協会に入会するなど両者は連携を深めており、美保えびのPRも一つの効果。境港市の水産物直売施設では美保えびのチラシでモサエビを販売する店もあり、相乗効果も期待されている。(6/2記事)
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