海から観光客を運ぶクルーズ客船の寄港が相次ぐ境港で十三日、ドイツ船の「オイローパ」(二八、七一〇トン)が初めて入港した。出迎えた地元関係者は、郷土芸能の披露や民芸品売り場の開設などを通して大もてなし作戦を展開。観光地として躍進著しい境港の姿を盛んにアピールして、再度の寄港を呼び掛けた。
オ号は四日に大阪港を出港し、国内五港を経て境港に着船した。乗客約二百三十人は十三日夕まで滞在したが、寄港に合わせて設定された水産物直売所や美保神社、関の五本松を巡るツアーには、約百人が参加。さらにタクシーで日本庭園の由志園や足立美術館に向かう乗客の姿もあった。
この日は、境港管理組合や境港市観光協会が臨時観光案内所や郷土民芸品売り場を開設して歓迎した。周辺の案内を受けたドイツ人女性(54)は「美保関に行くつもり。すてきな町で、興味深い」と語った。
岸壁の特設ステージでは「どじょうすくい踊り」の実演体験があり、二十人余りが見学。実際に踊りを体験したドイツ人男性(73)と妻(67)は「このクルーズで盛大なセレモニーがあったのはここが初めて。境港の人はとても温かい」と好印象を抱いていた。
今回のクルーズを担当した旅行代理店のスタッフは「売り場が開設されるなど、ここまで対応する港は数少ない。寄港先を決めるのはドイツ側だが、対応が良ければ船長はまた来たいと思うはず」と境港の受け入れ姿勢を評価した。
一方、オ号の船長を表敬訪問した中村勝治市長は「市内を歩く乗客の姿もあった。観光地だけでなく、その町を見たいのだろう。市全体がもてなしの心を持たなければ」と境港の観光港化に向けて意を新たにしていた。
境港の客船寄港は十年前に始まり、昨年は過去最多の延べ十二隻が入港した。今年もオ号を口火に米国船が延べ五隻、日本船が一隻寄港する。来年も別の米国船が延べ八隻訪れる予定。(4/14 記事)
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