水産庁は十八日までに、境港に水揚げされるベニズワイガニの休漁期を延長する資源回復計画案を発表した。保険未加入船の入港を禁止した改正船舶油濁損害賠償保障法の施行で、地元のカニ加工業界が原料確保に難航する事情を考慮し、計画開始を一年先送りしたが、業界内には抜本的な経営支援を求める声が生じている。
計画案は日本海沖合のベニズワイガニの漁獲量10%削減を目標とし、境港、香住港(兵庫県)を水揚げ港とする許可船を対象に、現行の七−八月に三十日間を新たに休漁期として追加する内容。香住港の場合は二〇〇五年度から六月を追加するとしたが、境港は一年後の〇六年度の開始を予定。期間も四−六月の間と幅を持たせた。
同庁境港漁業調整事務所によると、境港では三月一日の油賠法施行で北朝鮮、ロシア船からの輸入がほとんど途絶えるため、〇五年度からの実施を避け、期間も加工業界の状況を見ながら設定することにしたという。計画策定にあたっては漁業者と国、県、研究機関に加え、加工業界もオブザーバーとして参加した。
計画案には休漁期の追加のほか、小型のカニを逃がす改良漁具の段階的導入なども盛り込まれ、同庁は四月初旬の正式決定後、支援措置として漁業者に一定割合を助成する。しかし、加工業者への支援はなく、油賠法の施行と合わせて「ダブルパンチだ」との思いが加工業界に生じている。
境港水産振興協会の米村健治専務は「三月から原料不足が生じて困っている加工業者に追い打ちをかける計画だ。漁業者にとっても状況は厳しく、供給量の減少が単価のアップにつながるという単純な話ではない。資源管理の重要性はよく理解しているが、業界が成り立つ支援策を望みたい」と指摘する。
一方、境港漁業調整事務所の上田勝彦・資源管理計画官は「加工業者の三分の一はベニズワイガニだけを扱っており、支援措置を探したが、(現在の法体系の中では)損害に対する補償はない。今後、国がこの点をどうとらえるかが課題になる」と話している。(3/19記事)
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