米子市から境港市にかけて伸びる「白砂青松」で有名な弓ケ浜海岸のクロマツ林で、松くい虫の被害が止まらない。国道431号沿いの保安林については本年度から県が一括して対策を実施する仕組みになり、伐倒駆除作業が始まっているが、市民の間では被害の拡大を心配する声も上がっている。環境、予算面から予防措置が取りにくく、伐採で松が減少する中、抵抗性のある二代目の育成がこれからの課題だ。
松林は、米子市皆生温泉から境港市竹内団地にかけて弓ケ浜海岸沿い約十五キロ(約百ヘクタール)に連なる。潮害防備、飛砂防備、保健の各保安林に指定され、「白砂青松百選」にも選ばれるなど貴重な景観を形成している。
松くい虫対策は、これまで主として国道431号の海岸側は県が、陸側は米子市がそれぞれ対応してきた。住宅地に近いため、ヘリコプターや地上からの薬剤散布による予防が難しく、対策は対症療法的な駆除のみ。被害木を切り倒してチップ化することで、枯死の原因となるマツノザイセンチュウを運ぶカミキリの幼虫を殺す「特別伐倒駆除」を行っている。
県の調査によると、弓浜部の松くい虫被害量はここ数年横ばい。本年度は十月末現在で約千立方メートルと、昨年度(千六百立方メートル)より減少している。夏が高温・小雨だった割には比較的発生が少ないが、少なかった翌年は増加に転じるケースもあり、来年度は被害が増えることも予想される、という。
本年度からスタートした県の松くい虫対策の見直しで、同海岸の松林は「高度公益機能森林」として県が重点的に駆除対策を実施することになった。十一月から来年三月にかけて、被害木約千五百本を伐倒駆除する計画で、事業費約千四百万円を見込む。
担当の県西部総合事務所農林局林業振興課は「枯れた木に対する処置であり、対策が後手後手に回っているのは否めない」としながらも、「駆除の効果もあり、他所に比べて守られてはいる方だ」と言う。
当面、駆除では最も効果的とされる特別伐倒駆除を続け、被害の拡大を抑えていく方針だ。同課は「薬剤の樹幹注入による予防もあるが、予算がかかりすぎる。抵抗性のあるクロマツを県内で供給できるようにし、二代目を育てていくことが今後の課題」と話している。(11/25記事)
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