水産物加工やモズク製品販売の「海産物のきむらや」(境港市渡町、木村隆之社長)は三十一日までに、中国・大連市の企業グループと同市に合弁会社を設立することで合意した。北京五輪や上海万博を控えて経済発展が進む中、中国で高級食材とされるナマコの需要が高まると判断した。総菜工場を来春までに建設し、日本の加工技術と中国の原料を組み合わせた製品を中国全土で販売する計画という。
合弁相手は食品や不動産業などの「大連洪富(ホンフー)集団有限公司」。境港貿易振興会が八月二十三日に開いた現地商談会で、木村社長と大連洪富集団の代表である董事(とうじ)長の曲洪富氏が仮調印した。正式調印は年内の見通し。
計画によると、合弁会社の資本金は約一億五千万円で、工場は大連市旅順に建設する。大連洪富集団の養殖場からナマコを調達し、きむらやが加工、衛生管理技術を提供する。ナマコのほか数点の水産加工品も手掛け、大連洪富集団のネットワークを通して販売していく。出資比率や生産規模などの詳細は未定。
きむらやによると、中国でナマコは薬膳料理の食材として認知度が高く、高級感は日本でのアワビ、フカヒレに例えられる。
ただ、中国ではナマコを乾燥した干しなまこの使用が一般的だが、調理に一週間以上要する。これに対し、きむらやの「味付けなまこ」は保存、流通が可能なように冷凍してあり、独自の加工技術によって解凍しても生鮮に近い状態を保っている点が特徴で、調理の所要時間は数分。干しなまこと比べて手軽で、製造コストも低いという優位性がある。
木村社長は「中国の若い夫婦は共働きが多く、(調理が手軽な)きむらやのなまこは総菜品として売れる。技術を提供することで、ナマコの新しい食べ方を提案したい。北京五輪に向けて中国経済は伸びており、合弁会社設立はタイミングとして良い」と期待する。
一方、境港貿易振興会は日中企業の交流が盛んになれば、境港を使った貿易につながるだけに「今回のケースを機に、いろいろな切り口で中国航路の貨物創出を考えたい」と新たな展開に思いをはせている。(9/1記事)
|