日本海側のマイワシ保護を目的に、水産庁が来年は事実上の禁漁となる漁獲可能量「ゼロ」を提示して波紋を広げたが、六日の協議では漁業団体の反発で禁漁案は撤回された。日本海側屈指の漁港である境港では、資源保護は理解するものの、一連の経過に見える地域経済への配慮のなさを指摘する声も出た。
「資源回復のためゼロにすべきという水産庁の研究者サイドと、過去の経緯からゼロでなくとも回復するのではという業界の考えが対立した。人為的関与のとらえ方に違いがあったようだ」
六日の全国資源評価会議に出席した県水産試験場の下山俊一科長は、協議の感想をこう語った。
禁漁が業界に与える精神的ダメージを懸念し、動向を注視していた境港水産振興協会の米村健治専務は「地域の事情を把握し、きめ細かな配慮をしなければ地域経済は崩壊しかねない。水産庁の現地事情への理解が薄かったのでは」と指摘。
その上で「資源管理の必要性は理解しているが、将来に期待を抱ける施策も併せて提示してほしい」と訴えた。
境港市内の小売関係者は「禁漁になれば、小型のマイワシを煮干し原料とする加工業者にとっては大変なことだった。小売りには選択肢がいろいろあるが、煮干し産業には選択肢がない」と業界全般への影響を懸念し、禁漁案の撤回に胸をなでおろした。
実質的な禁漁案は一転して撤回されたが、境港の水産加工業者は「安堵(あんど)感はない」という。現状はマイワシは捕れていないだけに「大変な時期だ。マイワシが捕れる見込みがあれば、本当に安堵できるが…」とこぼした。(9/8記事)
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