日本海側で来年はマイワシを禁漁とする−という水産庁が一日に打ち出した方針が、境港にショックを与えている。マイワシは、境港が一九九〇年代前半に君臨し続けた「漁獲量日本一」の座を支えた主要魚種。今年の境港は漁獲量も上向くなど来年に向けて上げ潮ムードに包まれていただけに、関係者は戸惑いを隠せない。業界は協議の行方を見守っている。
境港水産振興協会の米村健治専務は「この夏、境港はマグロの大漁でにぎわっただけに本当に残念だ」と話す。
境港のマイワシの漁獲量は八〇年代後半から九〇年代前半にかけて年間四、五十万トンを記録。境港が九二年から五年連続で達成した漁獲量日本一の原動力となった。日本近海でのマイワシの激減に伴い二〇〇一−〇二年は漁獲量ゼロだったが、昨年は三百三トン、今年も七月までに二百五十二トンを記録。七月下旬には一日で百八十トンの水揚げがあり、復活の予感が話題になっていた。
「現段階の漁獲量は少なく経済的な打撃は小さいと思うが、マイワシに対する期待感がしぼんだ精神的打撃は大きい」と米村専務。「資源管理を理由とする規制は理解できるが、資源減少の原因を乱獲とするのではあれば、余りにも偏っている。経済成長に伴う海洋汚染なども一因であり、こうした対策も必要ではないか」と指摘する。
マイワシは資源管理の魚種に指定され、年間許容漁獲量(TAC)を設定しているが、山陰旋(まき)網漁業協同組合の江村格専務は「TACは資源評価に加え、社会的、経済的な要因も勘案して決めるもの。禁漁は業界の存続を無視している」と業界の思いを代弁し、「混獲(他の魚種と混ざって捕獲)されるものは許されるべきだ」と主張。日本だけでなく、中国や韓国を含めた日本海側での資源管理の必要性も唱えた。
禁漁は六日の全国資源評価会議で水産・漁業関係者に提案し、十一月に正式決定する見通しという。混獲について水産庁は「そこまで規制するのは現実的ではない」と許容する考え。
今後について、米村専務は「水産庁の方針や動向を見た上で、対策を協会で話し合うことになる」といい、鳥取県水産課の早瀬譲課長補佐も、個人的な見解とした上で「状況を見守りながら関係機関と連携して情報収集し、協議する必要はある」としている。(9/3記事)
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