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 2002年12月03日
 
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2002年12月03日
職場の健康メモ 「癌は遺伝子の病気である」

執筆:西部地域産業保健センター産業医 竹内  隆 先生
さかいみなと会議所ニュース11月号掲載

写真    

 正常な細胞がよく云われている内・外諸因子により、突然変異を生じた時に癌(がん)遺伝子に変化し、細胞を癌化する癌細胞になります。

 正常細胞は、周りの環境に応じて増殖したり、増殖を休止したり、うまく自由にコントロール可能ですが、癌細胞は、「増殖をやめなさい」という指令が来ても制御できず、どんどん増え続けます。

 また、正常細胞は、個人プレーでも集団としても、周りの環境に順応して行動できますが、癌細胞は、自分の周辺の正常な細胞を押しのけて、その縄張りを拡大していきます。

 さらに、癌細胞は、血流やリンパ流に乗って遠くに運ばれ、時には、直接に浸潤し、転移します。

 癌細胞の発生原因は、二つのトラブル、すなわち、癌遺伝子の信号の故障と癌抑制遺伝子の故障に起因するといわれています。

 もう少し詳しく説明しますと、細胞の増殖は、細胞外から送られる一種の信号により制御されています。細胞は、細胞膜にあるレセプターと呼ばれる部位が受けた信号により、核分裂が行われます。

 よって、これに癌遺伝子が関与しますと、正常な伝達がされず、常に増殖する方向のみに信号が送られ、癌発症の一つの引き金になっています。

 一方、遺伝子には、癌細胞の性質を抑制し、元の正常細胞に戻そうとする遺伝子があり、これを「癌抑制遺伝子」と呼んでいます。この遺伝子が故障しますと、癌発症に進むというわけです。

 正常細胞が癌細胞に変化するまでには、約20年間かかると云われており、実際、65歳前後の人に癌患者が多いのもうなずけます。

 そこで当然、遺伝子診断と遺伝子治療が必要となってくるわけです。本当は、非常に複雑ですが、ごく簡単に説明すると、例えば、AとZの二つの遺伝子が「ある癌」を発症させるとします。

 Zという遺伝子が最終的に異常を起こして癌が発症する事が分かっていれば、異常を来たした遺伝子がAであった場合、癌発症の初期の段階だと推定できるわけです。

 Zという遺伝子に変化があれば、かなり進行した段階にまで遺伝子の異常が進んでいると考えられ、一つの治療の目安となります。


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